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――コレは何・・・??
――夢・・・?それとも・・・幻・・・??
――夢なら覚めて・・・幻なら消えて・・・
――今すぐ・・・今すぐ・・・!!!
togther...once more
「グラディオン、発進!!」
いつもと同じ。ここまではいつもと変わらない。
いつものようにグラディオンにウェブダイブして、ビーグルモードに変形して。
いつものように、このレールを走っていた。
マジカルステーションら出て、あたりが真っ赤なデリトロスゲートに出た瞬間、
目の前で3つの光がそこにあった。
何色もの丸いデータの粒が、その光を中心に散って、消えた。
見えるはずの、そこにあるはずの姿が見えない。
ドラグオン。
ダイタリオン。
ライガオン、ペガシオン。
そして、3体の偽グラディオン。
皆、そこにいなかった。
消えていた。
「・・・・・・!!?」
あるのは、マジカルステーションと、ガリューン。
ワイバリオンと、自分。
そして、何体ものデリトロス・アイ。
・・・それだけ。
――呆然と、そこに立っていた。
――頭の整理がつかなかった。
『君の敵は・・・デリトロス城だ』
『本番でもシュートを決めろ』
不意に、本当に自分でも知らないうちに、視界がゆがみ始めた。
頬に、暖かい何かが伝った。
事の次第を、ようやく理解した。
「ショウさん・・・ナオキ・・・っ!!!」
吐き捨てるように呟く。
グラディオンに聞こえたかどうか、
そんな微かな声で。
ぽたぽたと「何か」はとめどなく落ちていく。
それはグラディオンの中で、グラディオンの中のどこかで、
形を無くして・・・それからすぐに消えた。
まるであの光のように。
ほんの数秒で消えた、ショウさんやナオキの最期の光のように。
ぽたっと落ちて。
ぴたっと当たって、
すうっと消えた。
何度も、何度も。
――悲しすぎた。
――苦しすぎた。
――切な・・・すぎた。
「うわあああぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!」
それ以外の言葉にはならなかった。
いや、もうすでに言葉ではなかったのかもしれない。
もう、ただがむしゃらに襲い来るデリトロス・アイの中に突っ込んでいく。
何も考えなかった。
考えられなかった。
――この酷い悲しみで
――この深い怒りで。
そのとき、オレがいつのまにか怒りに任せて放った光が、
目の前のデリトロス・アイを消滅させ、リュウトのデリトロス城ごと破壊していた事に、
見慣れたマジカルゲートの中でようやく知った。
『君の敵はデリトロス城だ』
俺が最後に見たショウさんは、そんな事を言っていた。
クラスのリーダー的な存在で、頼りになって。
すごく、尊敬してた。
憧れていた。
心のどこかで。
一緒に戦ってくれるって言ってくれた時も、
すごく嬉しかった。
力強い仲間が出来た・・・そう思った。
でもその反面、申し訳なかった。
巻き込んでしまったのは自分なのだから。
――そんな思いとは違って、ショウさんは何度も俺たちを助けてくれた。
グラディオンと合体した時。
カイトの薬を探そうと海に沈んだ病院に一緒に行ってくれたり。
ダイバーランドとの交信を何度もやってみてくれたり。
でも。
――オレは、ショウさんに何かしてあげていただろうか?
『本番でもシュートを決めろ』
オレが最後に聞いたナオキの声はもそんな言葉と共に響いた。
アイツは時々、何でもない様でオレにはグサッとくるような、
逆に励まされるような言葉を言う事があった。
本人に自覚はないらしいが。
そんなことで腹を立てたり、笑い合ったり。
・・・そんな、オレの最大のケンカ友達。
よく意見が分かれた。
よく行動が似ていた。
多分、誰よりもオレを知っていて、誰よりもオレが知っている奴だと思う。
実際、何度真正面からぶつかり合った事か。
アイツは、オレにいろいろ教えてくれた。
アイツ本人も知らないうちに。
言葉じゃとても言い切れない、「何か」を。
でも。
――オレは、ナオキに何か教えた事があったのだろうか?
「―――あっ・・・!!」
はっと我に返った時、そこはもうすでにデリトロス・ゲートではなかった。
よく見慣れた場所。
でも長いこと見ていなかった場所。
マジカルゲート。
「戻って・・・きたのか・・・」
ほっと一息ついた。やっと戻ってこられた。
でも・・・嬉しくない。
「ケント・・・」
すこし遠くで、ジャンかガリューン、もしかしたらグラディオンがそう言った気がした。
オレはもう、ただ呆然とそこにいた。
動く気力もなかった。
・・・本当なら。
突然、鈍い光とともに大きな物体が現れた。
「――ダーク・・・グラディオン・・・」
間違いなかった。
リュウト、そしてデリトロス。
――ゴメン、ショウサン。
――アリガトウ、ナオキ。
心の中でそう呟いて、眼前のダークグラディオンを見上げた。
そのとき、また「何か」がぽたっ、と零れた。
――それが、ほんの少しオレの視界に入って、
――ようやく、ようやく。
――「何か」が「涙」何だと気づいた。
――『あぁ、俺は泣いているんだ』・・・と。
無理矢理拳で涙を拭いながら、リュウトに剣を向ける。
深い悲しみと、酷い痛みと、強い怒りを矛先に込めて。
「――ナオキ、ショウさん。」
小さく、ほんの小さな声で呼びかける。
多分、誰にも聞こえていない。
声を出したかどうかもわからない。
――それ以外の答えなんて、見つからない。
――今は。・・・今は。
ぎゅっ、と右手の剣を握り締める。
ふっ、と一瞬の微笑が零れる。
――何処かで見てて。この戦いを。
――出来るなら、俺に力を貸して。
――また・・・一緒に戦いたいから・・・。
少年の小さな怒りと共に流れた最後の涙が、
最後の戦いの幕を上げた。
Fin.
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あとがき。
ショウさん&ナオキ追悼小説。
泣きました、心中で。
一番起こって欲しくない、でも起こってしまうであろう事が、本当に起こってしまった。
悲しかったです。
最終回で復活してくれる事を祈ります。
ってかそうしてください。(泣)
緋月聖羅さんのHP